2011年3月29日火曜日

来週の株式相場 政策決定会合に注目、新興市場は大型株の水準訂正へ

 23日、ギリシャ政府はついに、IMFとEUに、緊急融資を要請した。これを受けて、外国為替市場では、当面の悪材料出尽くしから、ユーロが上昇した。23日のNY外国為替市場では、ユーロはドルに対して7日ぶりに反発。前日終値の1ユーロ=1.33ドル近辺から1.33ドル台後半に上昇した。対円では一時1ユーロ=126円台となった。また、3月の米新築一戸建て住宅販売件数が大幅に伸びたことなどから、円は対ドルでも売られ、一時1ドル=94円台を付けた。

 23日のNYダウは、8週連続上昇し、08年9月19日以来1年7カ月ぶりの高値で取引を終えた。ナスダック総合指数は、08年6月以来ほぼ1年10カ月ぶりの高値で終えた。そして、S&P500種株価指数は、08年9月19日以来の高値で終えた。シカゴ日経平均先物6月限(円建て)は、11020円大証終値比70円高だった。

 ギリシャ問題が短期的な解決をみたことで、来週の東京株式市場は買戻しが先行する見通しだ。しかし、国内では大型連休を控えている上、主力企業の決算発表が本格化する。このため、積極的に上値を買っていくムードが強まるとは考え難い。結局、狭いレンジのもみあいとなるだろう。日経平均の想定メインレンジは、3月のSQ値の10808.73円と4月のSQ値の11146.95円とで挟まれたゾーンだ。

 ただし、外部環境が劇的に悪化するケースでは、75日移動平均線(23日現在、10652.12円)までの下落可能性は低くはない。日経平均は4月5日高値からの調整局面が依然として継続している公算が大きいとみているためだ。下振れを警戒しておきたい。

 最大の注目材料は週末30日の日銀の金融政策決定会合の結果と、経済?物価情勢の展望(展望リポート)だ。展望リポートでは、11年度の消費者物価指数(CPI)の変動率は従来の「マイナス0.2%」を「0%以上」へ、10年度の実質GDP成長率の予測は同「1.3%」を「2%程度」へ、それぞれ上方修正する方向で調整中と報じられている。

 一方、決定会合については、現在の金融緩和を継続する方針を改めて確認するとみられている。しかし、ここで、追加の金融緩和策が打ち出されるようなら、市場にポジティブ?サプライズを与える可能性がある。

 昨年12月、日銀は、中期的にみて物価が安定していると理解する物価上昇率を1%程度としている。仮に、今回の展望レポートで11年度の物価上昇率が「0%以上」に上方修正されても、1%には届かない。それならば、30日の会合で、一段の追加措置を講じる余地は残っていると考える。

 日経平均は昨年来、日銀の追加緩和措置(円高抑制、短期金利低位安定策)若しくは、観測報道をきっかけにして、底入れを果たしてきた。このため、4月5日の高値からの調整に対する底入れのきっかけに、30日の政策決定会合がなる可能性は決して低くはないだろう。なお、今回の期待が肩透かしに終わった場合、次回の5月20?21日の会合がそうなることになるとみている。このケースでは、事前の観測報道がなければ、底入れは約3週間後ずれしよう。

 ところで、調整色の強い日経平均とは対照的に、23日の新興3市場の主要な株価指数は揃って、年初来高値を更新した。とりわけ、日経ジャスダック平均は、リーマン?ブラザーズが経営破綻する直前の08年9月12日終値(1332円76銭)を上回った。

 これは、短期資金が、値動き良好な新興市場に代表される小型株には流入しているものの、値動きの鈍い大型株を避けている結果とみている。この傾向は、来週及び大型連休の谷間の再来週も継続するとみている。

 ただし、新興市場では、先駆して急騰した、時価総額が超小型の人気銘柄の一角に騰勢一服感が出ている。このため今後は、新興市場の中での出遅れ修正が加速する公算が大きい。つまり、相対的に出遅れ感の強い、新興銘柄の時価総額上位組に見直し買いが入るとみている。

 時価総額上位組の出遅れ修正は、結果として、指数寄与度の観点から新興3市場の主要な株価指数の上昇余地を拡大させることになると考えている。一方、時価総額下位組で、これまで人気化し急騰を続けた銘柄群のうち、騰勢が一服し、トレンド?フォロー系テクニカルが売り転換した銘柄群に関しては、短期資金が一斉に流出する可能性は高いともみている。(編集担当:佐藤弘)

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引用元:ローズ(Rose) 専門サイト

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